2023年09月17日
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三百字小説『少年ベニヤ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 少年ベニヤは、ベニヤ板工作の天才だった。

 しかし、ベニヤ板は大きい。

 それを組み合わせた作品はもっと大きい。

 彼は、土地の不足という問題に突き当たった。

 そんなとき、彼に朗報がもたらされた。

 アフリカの某国が「いくらでも土地を提供するので是非我が国で作品を作って下さい」と言ってきたのだ。

 しかし、少年ベニヤには飛行機代がなかった。

 アフリカにさえ行ければ……。

 そう思った少年ベニヤは妙案を思い付いた。

 ベニヤ板で飛行機を作ってしまえば良いのだ。

 少年ベニヤは自作の飛行機でアフリカに旅立って行った。

 ……そしてアフリカの某国に到着すると、国籍不明機として撃墜されてしまった。

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦